~子どもの近視~
2020. 1. 1更新
最近、慶応大研究チームによる小中学生を対象にした視力の調査(※1)で、中学生の95%、また小学生の75%が近視だったという結果を発表し、メディアでもよく見かけるようになりました。近視が進み「強度の近視」になると後遺症、合併症のリスクが高くなり、最悪の場合失明するおそれがあるといいます。
強度近視は日本の失明原因疾患の第4位となっており、近視予防は急務であり、また、ドライアイと関連がある可能性も報告されています。
(※1)…慶應義塾大学医学部眼科学教室の坪田一男教授、栗原俊英特任准教授、鳥居秀成助教、四倉絵里沙(大学院医学研究科博士課程4年)らは、東京都内の小中学生約1,400人を対象とした近視疫学研究を行い、日本における近視有病率を約20年ぶりに報告し、近視とドライアイに関連がある可能性も見出しました。
掲載誌:JAMA Ophthalmology(オンライン版)2019.8.15
なぜ今の子どもたちに近視が増えているのかというと、「遺伝と生活スタイル」といわれています。
例えば、スマートフォンを見たり、パソコンを見たり、ゲームや近くのものを見ることが多く、近くのものを見る時間が増えることで目の発育の段階で眼球が変形し近視の子どもが増えているようです。
近視の進行を遅らせるには、「屋外活動を増やす。外で遊ぶ時間を増やす(1日2時間以上確保すると良い)」ことにより自然と遠くを見ることで、近視の原因となる生活スタイルの改善が期待できます。
また、視力低下を防ぐカギとして、太陽光に含まれる「バイオレットライト」が注目されています。
UVカットのある窓やメガネでは取り込むことができないため、外で浴びる。
(くもりでもOK・含有率の多い午前中が望ましい)や、屋内では窓を開けて取り込むと良いようです。
一生使っていく大切な目です。小さい頃から守っていきたいものです。
文部科学省も、今年度(2019年度)から啓発活動を進めていく見通しのようですね。