~子どもの便秘~
2016. 9. 1更新
幼児期に便秘になって便が硬くなると、排便で痛い思いをして怖くなり、我慢するようになります。また、小学生以上になると、自宅以外の場所で排便したくなくて、我慢してしまうことが多くなります。こうして便がたまる悪循環に陥ると、直腸が拡張し、便がたくさんたまらないと便意を感じなくなってしまいます。さらに悪化すると無意識のうちに漏れる「弁失禁」をおこすこともあります。こんな状態を「遺糞症」とも言います。
便秘の原因は生活習慣や食生活などさまざまですが、子どもたちが塾や習い事で、学校が終わってからも常に緊張していることも一因ではないかと言われています。消化管の機能は、副交感神経が働いてリラックスした時に活発になります。一方緊張すると副交感神経の働きが抑えられ交感神経が優位な状態となり、腸の動きが悪くなります。小学生くらいになると自分の子どもの排便について知らない親御さんも多く、それも便秘を悪化させてしまう原因の一つです。普段から子どもの排便に問題がないか、それとなく見てください。毎日、ちゃんとうんちを出しなさいよと声をかけ、トイレに行かせるだけでも全く違います。
当院の外来では、緩下剤の内服や座薬タイプの下剤、他に「小建中湯」「大建中湯」などの漢方薬を用いて便秘の治療を行っております。