~蕁麻疹~

【みんなのポケット】2021年11月号(NO.225)

じんましんは、よくある病気で皮膚の一部がミミズ腫れのようにくっきりと盛り上がる皮疹が出ます。これは、何らかの原因で、皮膚にある肥満細胞からヒスタミンをはじめとしたさまざまな化学伝達物質が放出され、血液中の血しょう成分が血管外に漏れて、皮膚のむくみをつくります。短時間の間に出たり、引っ込んだりするのが特徴で数分から数時間で消えます。こすれたところがその形に盛り上がったりすることもあります。通常は強い痒みを伴います。極めてまれですが症状が強い場合は、のどに現れると気道を狭くして呼吸困難になり、胃や腸の粘膜に現れると腹痛や下痢の症状を伴うこともあります。
じんましんの多くは、原因が特定できないタイプで特発性じんましんと言います。特発性じんましんは症状の持続期間によって6週間以内のものを急性じんましん、6週間以上持続するものを慢性じんましんと言います。
症状を悪化させる原因は1つでなく、疲労が蓄積したりや精神的なストレスなどが重なり合っている事が多くあります。そのほかに体温が高くなると現れるコリン性じんましん、寒さによって現れる寒冷じんましん、こすれると現れる機械性じんましんなどがあります。ごく稀ですが、薬剤性じんましんや食物アレルギーの症状としてじんましんが出ることもあります。
じんましんは、皮膚に現れた皮疹を見て、また現れた時の様子などを聞いて、診断します。基本的に原因が特定できない事が多く、血液検査は不必要です。食物アレルギーなど、誘因を強く疑われる場合のみ血液検査をすることもあります受診した時には皮疹が消えていることも多いので、スマホなどで撮影しておくと良いでしょう。
一般的には、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤を中心とした内服薬を使います。急性じんましんの場合には約1〜2週間、慢性じんましんの場合は数ヶ月〜数年間飲み続ける必要があります。薬の飲み方は、医師に相談してください。